犬さんと猫さんの予防接種の基準が変わり始めています。
今までは有無を言わせず一年に一回、
動物さんの一生に15~20回も混合予防接種と言う予防注射が勧められていました。

犬クンの場合はさらに狂犬病予防接種も一年に一回法律で接種が決められています。
なんと狂犬病予防接種もふくめ生涯で30回以上の予防接種がされています。

日本でももう数十年以上前から
この犬さんネコさんの予防接種をこれでいいのか
学術的に見直そうと提唱され始めていました。

日本以外の獣医療先進国では以前から
大人の犬さんのジステンパーなど混合ワクチン接種は2~3年に一回
同じく大人のネコさんの混合接種も2~3年に一回になっています。

・・・日本ではなぜかこの提唱が無視され続けていました
日本で使用されている各種ワクチンはほとんど外国で使われているものと同じです。
(日本で販売されているものだけが効果期間が短い?なんてことはないと思いますが)

最近、それでも勇気のある獣医さん達が
WSAVA(世界小動物獣医師会)の提言の推奨を始めたようです。
とても長い日本語の説明文を貼り付けておきます。
http://www.wsava.org/WSAVA/media/PDF_old/WSAVA-vaccination-guidelines-2015-Japanese.pdf

ようは、きちんと管理されていれば
犬さんと猫さんの予防接種は数年に一回で良さそうです
この方法でキチンをいくつかの伝染病の予防効果が認められるはず・・・

さて、永い前置きになりました。
毎年必要な予防接種がいらなくなると 色々と考えるものです。
ワクチン抗体価血液検査を毎年するよう飼い主さんに提唱して
ちゃんと「病気予防ができているよ」と安心してもらうプログラムの提案がありました。

その血液検査キットを買って毎年の予防接種の代わりにしなさいと・・・・・
予防接種の効果がほぼ3年はある事が知られているのに
毎年その効果が続いてかの血液検査をするって、
とても科学的なような無意味なような・・・

かかりつけ獣医さんがそれを推奨すれば
飼い主さんは安心だと受け入れるかもしれません。

私はとてもそんな方法をお勧めしようとは思えませんが。
これは個人的な考えでです。
獣医学的には全て数値化や可視化をして科学的にするのが良いのでしょうが・・・

抗体価検査は保護動物などで予防接種の有無を知りたいとき役に立つも思います。
病気を持ち込まない、また伝染病から保護されていてうつりにくいとわかります。
しかし、この抗体価検査の方が多分、予防接種より費用が掛かりそう。
さらに
結果が抗体価が低く未予防接種だと出ると予防接種が別料金で必要。
動物さんは運がわるければ採血と予防接種と
二回も怖い痛い思いをしなくてはなりません。(飼い主さんのお財布もその分負担)
・・・毎年受ける事が出来る予防接種ならば、取りあえず予防接種を受けた方がとも?

私のような昔獣医さんには難しいことわからない事だらけです。